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ザバダ佐藤の格闘技シニシズム〜序章〜

 

 とある深夜、唐突にNEXUS代表・山田さんから一通のLINEが届いていたことに気づく。

 

 一昨年の秋頃より、Fighting NEXUSにスタッフとして参加しているので、また大会に向けてのお仕事の話かと思いきや。

 

 「コラムを書いてほしい」。

 

 はて。

 

 

 すでに晩酌を終え、布団の中でウトウトしたあとの目に入ってきたこの依頼に、酩酊状態の脳みそながら軽く逡巡するも、気軽に「オッケーで〜す」と返してしまった己の軽率さに、自らを侮蔑しつつこの文を書いています。

 

 

 まずは自己紹介をば。

 

 四十路も半ばに差し掛かったラーメン二郎好きおじさん。
 いまはフリーランスとして、興行スタッフやWebのコーディングのお仕事をいただいたり、ダーツをぼやぼやと投げたり、千葉ロッテマリーンズのことをぼんやりと考えていたりします。

 
 NEXUSでは、競技以外の部分(受付/会場ディレクションなど)のサポートや、セキュリティーさんへのアドバイス、場内表記の作成などなど、遊軍部隊としてサポートをしています。
 ちなみに、格闘技経験はゼロ(厳密には柔術道場に半年ほど通っていたが、足の短さからガードポジションでフックできない自分に挫折)。

 

 これまではライヴやTV番組の制作、某プロレス興行会社の社員、カナダから届いたコンテナから大量の冷凍サーモンを9時間休憩なしでひたすらに荷降ろしするバイトなど多種多様な仕事を経験。
 なかなか人と職場の縁と体調に恵まれず、三十路すぎまではいわゆるデラシネ(根無し草)のような人生を送っていました。

 

 そして、流れ流れて、前職では都内某所の、とあるイベント施設の管理人をすることに。これが私の人生のターニングポイントとなります(なお、その職場にて取引先として出会ったのが、Fighting NEXUSであり山田代表だったのですが、その話はまた別の機会に)。

 

 そのイベント施設、プロレスリング用のリングが常設しているという特徴があり、施設貸出の95%はプロレス興行の会場としての対応。日本中探してみても、なかなかにレアな環境でした。

 

 さて、残りの5%とは。バラエティ番組やドラマの撮影場所、会社の新人研修場所、結婚披露宴パーティー会場、などなど…・

 

 そして、格闘技興行の会場。

 

 「プロレスと格闘技、なぜ分けるの?」というご意見もありますが、競技の内容で分けているわけではありません。私個人の一見解ですが、観客に見守られてリングやケージの中でおこわれることは、誰が何をしようと「格闘技」です。ここでジャンルの差異を論ずるつもりはありません。

 

 ただ、ただですよ。
 決定的に区別をしなければならない所以があります。

 

 とにかく、格闘技の興行は、会場内外のトラブルが、圧倒的に多すぎるのです。

 

 のべ2,000興行を、管理者として定点観測していた自分だから断言できます。

 

 近隣への違法駐車、ゴミの不法投棄、ジム同士の喧嘩、謎の方々からの圧力、観衆の競技者に対する尊敬のなさ、などなど。
 当然様々なパターンはありますが、自分が前職で目の当たりにした格闘技興行は、仕事として関わるにしても、とても一般常識からかけ離れた心身ともに辛いものが多かったのです。

 

 そんな、格闘技興行にトラウマを抱える私がいま、なぜNEXUSを手伝っているのか。
 どんな視点を持って格闘技興行をサポートしてるのか。

 

 これまでの経験があるからこそ、対応できることが増えたのも事実です。
 過去の経験を織り交ぜながら、ここに雑文を書き連ねるやもしれませんが、これから大会を開催をしたい方や、ジム経営をされている方の参考に少しでもなることができれば幸いです。

 

 もしも書いてほしいテーマなどがあれば、どっかしらでリクエストしてください。
 墓場まで持っていかなければならない話もありますので、表現を濁らすことが多くなりそうですが、そこはどうぞご勘弁を。

 

 では、今回はここまで。

 

 

 〜 つづく(のか?) 〜

 

 

 

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